柚木麻子さんの、一番新しい小説かな。2024年の直木賞候補作にもなった「あいにくあんたのためじゃない」。40ページほどの短編が6つ集まった短編集で、新型コロナが勢いのあった時期、ネット、SNSが日常のコミュニケーションで大きな役割を果たすようになった時代を背景に、いつものようにかなり奇矯な登場人物たちが奇想天外なバトルを繰り返す、柚木ワールド爆発という感じ。
好きな人は、このブラックユーモアあふれる奇想小説群を大いに楽しめるだろうが、趣味が合わない人はとことん合わないかも、という小説ですね。直木賞候補になったけど、残念ながら撃沈でした。でも審査員の皆さん、柚木さんのこの独特の才能はちゃんと認めておられて、この作品ではあげないけど、というスタンスと思えた。
私的好みで、この6作品を順位付けし、一言コメントしてみると:
1位 トリアージ2020(とても暖かい ミステリー風味)
2位 めんや 評論家おことわり(びっくりの展開 二視点での柚木得意の形)
3位 パティオ 8 (若い奥様がその後どうなったかは、とても気になる)
4位 BAKESHOP MIREY'S (あるある…な話で、若い女性の生態書かせたら凄い)
5位 商店街マダムショップは何故つぶれないか(マイルドホラー いい話風だが、いまいちわからない)
6位 スター誕生(MCワンオペの登場はかなり衝撃的だけど、最後になんだかよくわからない結末になったのが惜しい)
柚木さん、これまでのはっちゃけ小説が好きなら、ぜひご一読を。それにしても、「ナイルパーチの女子会」でもそうだったが、いわゆるインフルエンサーの生態を描かせたら、露悪的でなかなか凄わざ。笑えるというより、ちょっと不気味くらい。
以下に、直木賞の選評を貼っておきます。
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