追悼 「祈りの幕が下りる時」東野圭吾(講談社)

東野圭吾さんが亡くなった。68歳。言わずと知れたベストセラー作家で、映画化された作品も多い。我が家にもたくさん本がある。今日は、追悼の意味も込めて、未読だった一冊「祈りの幕が下りる時」を読了。
警視庁捜査一課芳賀恭一郎のシリーズ。恭一郎の過去が明らかになる。東京で起こったいくつかの殺人事件をつなぐ過去。そこには親子の深い絆と哀しい業、そして恭一郎を捨てて、遠く仙台で亡くなった母親もかかわってくる。殺人現場の部屋にかかっていた一枚のカレンダー。そこには月ごとに、日本橋にある12の橋の名前がメモされていた。奇しくも仙台で母が最後に過ごしたアパートを見せてもらい、そこで母の形見を手にした恭一郎は、まったく同じ12の日本橋の橋名を知っていた。あまりにも多くの偶然の一致が、恭一郎をこの殺人事件へと巻き込んでいく。
さすが、吉川英治文学賞をとった作品。東野の膨大な作品群の中でも、人物造形が見事で、キャラが際立っていて、壮大な人間ドラマになっている。読み応えのある本だった。文庫で450ページほど、結構な分量だが、一気に読めた。謎解きよりは、動機の解明が中心かな。警察小説のジャンルでしょう。
ちなみに映画化されたとき、恭一郎が阿部寛、ヒロイン浅居博美が松嶋菜々子で公開されている。

 

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