「たったひとつの冴えたやりかた」ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(早川文庫)

なかなか魅力的なタイトルで、記憶に残っていた小説。書かれたのは1985年で日本では1987年が初出とか。SFはあまり読まないほうだと思うが、今回ハヤカワ文庫の80冊というフェアがあって、帯が新しくなり、廣野秀明が推薦しているので、思い切って買ってみた。
この作品を書いた直後に、作者は亡くなってしまうのだが、その様子がなかなか衝撃的。詳しくはあとがきの解説に書かれている。
さて小説は、賢明でかわいい少女が主人公。誕生日に買ってもらった宇宙船に乗って、親に内緒で冒険旅行にでてかける。途中で眠っているうちに、ごく微小なエイリアンが脳の中に入り込むという事態に。頭の中で少女に直接語り掛けてくるエイリアンと、いつのまにか友情が芽生えてくる。だが、エイリアンは自分がやがて恐ろしい存在になることを予見し、少女とともにあある決断をすることになる、というお話。コーティという少女とシロベーンというエイリアンのやりとりがほほえましい。SFで少女が主人公というのは、今では無数にあるし、日本ではそういうアニメも人気があるので、そのはしり的な作品の一つなのかも(違うかもしれない)。
この本、実は100ページくらいの中編が3つ入った小説なのである。主人公はそれぞれ違うが、全体のコンセプト、宇宙観、時代などが同じ感じで、連作物と考えていいのかも。他の作品なども見ても、ハードSFというよりスペースオペラ的でしょうね。
自分としては今一つ趣味ではなかったな、という結論です。タイトルは上手いです。

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