トガクシショウマ 幻の花を見る 2025/5/23(金)

数年前から、気になっていたこと。幻の花トガクシショウマが咲く場所を自分は一つ知っていて、毎年訪れているのだが、もう一か所、なんとなく見当がついて、実地調査をしてみたいと思っていた。ただ、咲く時期がわからない。雪解け後なのだが、ある程度の高山なら6月に入ってから、沢筋で比較的高くないところなら5月下旬だろうか。記録がでることはまずないので、いろいろ考えていた。ネットの数少ない情報では、奥羽山系、特に八幡平、秋田駒、和賀、真昼あたりか。自分が知っているもう一か所は岩手側の奥羽山系。そちらは6月中旬に訪れることが多いのだが。もう一つの心配は、現地までの登山道の様子。ほぼ歩かれない道を進み沢に降りる場面もありそうで、雪解け状況と、クマの心配など。
いろいろ悩んだが、空振り覚悟ででかけてみることにした。本当にそこに咲くという確証もないし、開花の時期にあたるかもわからない。もしはずれなら、きっぱり諦めるかな。秋田なので結構遠い。ほかの山歩きとセットでならまだいいが、これだけのために再訪というのもなあと。ただ花を見たいだけなら、尾瀬の裏燧林道で柵に囲まれた状態だが、見ることはできるし、もう一か所で見ればいいのだが、でもやはり自分で探し出したいと。

咲いていた。
奥羽山脈の深いブナ林の広がる渓谷沿い。残雪がようやく消えた頃、沢の崖沿いにトガクシショウマが咲き出していた。




予想通りの場所にひっそりと、それは咲いていた。
沢の両側、ひとつふたつと数えると見える範囲では5~6株ほど。周辺にはシラネアオイが多い。もう一か所でもシラネアオイと共生していた。花の大きさは3対1くらいでトガクシショウマが小さい。色はよく似た紫色。今回もシラネアオイがたくさん咲き出していたが、ほとんどがつぼみだったので、開花していたトガクシショウマが見つけやすかった。時期が遅いと見逃しそうだ。


ここは明るいブナ林だが、花があったのは結構うっそうとしたところ
シラネアオイはたくさんあったが、すべてこの状態。
ツバメオモトも同様
帰途、岩手の里山を訪問
ササバギンラン
ギンラン

そして、ようやく見つけたヤマシャクヤク。残念ながら花弁が落ちてしまっていた。
この花を探しに、この無名の里山を訪問したのだが…
何年も前のネット情報で、咲いているかどうか半信半疑だった。歩きながら登山道の両側をじっくり観察、花のありそうなところまで登り、見つけられずに諦めて下山開始し、少し藪の中に突入したら…ありました。
見つけたのは二株だが、どちらも終わり。
これはまた来年おいで、ということでしょう。
ナツトウダイ

一日で二つの花を見つけられて幸せな気分。よほど暇なんだねって言われそうですが、まあそうかもw

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