中山七里の『護られなかった者たちへ』の感想を書いた際、生活保護申請に対する福祉事務所の厳しすぎる対応がこの犯罪を生んだという中山の指摘について、それはごくわずかな生活保護担当者の問題で、少し一方的なのではと思った。だが、いろいろ調べていくうちに、群馬県の桐生市で、この小説に似たようなトラブルが実際起こっていることが寡聞にしてようやく知った次第。少し紹介すると。
2025/2/8と2/7朝日新聞の朝刊でもこの問題をとりあげいる。担当者にこわもての元警官を配し、受給者に威圧的な態度をとるとか(むろん反社勢力の不正受給対策という面も理解できるが記事ではあまりに行き過ぎ)、強引なケースワーカーによる外部NPO団体の紹介で、支給金を中抜きされている件などが指摘されている。
群馬県も事態を重視し、桐生市を指導しているという記事もあった。
職員62%が「不適切なものがあった」 桐生市第三者委のアンケで
https://www.asahi.com/articles/DA3S16144433.html
なんとも言えないひどい事件。
生活保護不正受給問題は確かにあるが、それは全体の数パーセントの話。それへの対応と、受給者への言われないハラスメントや差別、ネット上のヘイトなどはべつの問題で、後者は絶対に許されない行為。格差がどんどん広がって日本人の多くが貧しくなっていく時代に貧しいものが貧しいものをたたいて留飲を下げるという、そのような流れになっていってはいけない。セーフティネットを維持することはまわりまわって自分の生活の保険にもなるはず。政治家がこういうことを咎めないばかりか、自分が率先してたたいていることも。生一番有名なのは 片山さつき、世耕弘成などだね。
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