「光る君へ」と「虎に翼」 総集編も楽しむ


年末の29日に「光る君へ」の総集編が、30日は「虎に翼」の総集編が放送された。いずれもダイジェストでそれぞれ4時間と2時間くらいのもの。
これまでも大河は見てきたが(とくにここ10年くらいは)、今回は平安貴族の物語ということで、視聴率は低調だったようだけど、その分初めての試みとしていろいろ工夫されていてずいぶん楽しめた。最近では「鎌倉殿の13人」と並ぶ出来だと思う。配役は、吉高由里子と柄本佑がメインで、どっちもちょっと個性的だが結構好きな役者さんたち。

このドラマ、問題が一つあって、同じような地位の貴族の同じような名前の人が次々でてくるので、最初のうちはネットのキャスト一覧を開きながら見ていたほど。これはある程度下準備しないとついていけないドラマだった。
ストーリーとしては、まひろ(紫式部)と道長の物語だが、むしろクライマックスは、中宮彰子の覚醒の場面とか、まひろと道長の正妻の源倫子とのやりとりとか、単なる二人の恋愛(悲恋)もので終わらないところがよかった。史実として、二人が恋愛関係にあったという証拠はどこにもないのだが、全盛を極めた道長と紫式部の恋は、それがあったとしたらこんな感じなんだろうなと思わせて、楽しめる設定だったと思う。
自分も「光る君へ」が放映されなかったら、瀬戸内寂聴の「源氏物語」を読むことはなかっただろう。楽しい一年間だった。
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今年の前期の朝ドラ「虎に翼」の総集編も楽しんだ。こちらは実在の三淵さんがモデルで、女性初の裁判官の物語。時代にあわせて、帝人事件、尊属殺人裁判、原爆裁判などとりこみながら昭和の司法の歴史をうまくまとめてみせてくれた。いいドラマだったと思う。
この作品では、主演の伊藤 沙莉が、個性を十分発揮して「強い女性」を演じていて、自分的にはとてもよかったと思う。そして何より、わき役たちが、いわゆる「キャラ立ち」して、ストーリーがうまく展開していった。両親役の石田ゆり子と岡部たかし、親友で兄の嫁になった森田望智、書生で夫になった仲野太賀、このあたりの家族の雰囲気がとってもよい。さらに法学部で同期になった土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンスなど、みんないい役者さん。何より松山ケンイチ、小林薫、沢村一樹、滝藤賢一、そして最後に再婚の相手となった岡田将生と、ちょっと豪華すぎる感じでした。



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