知る人ぞ知る西村カリンさん。フランス生まれで、日本にきてAFPの東京特派員を長く勤め、今はリベラシオンやラジオフランスの特派員をしている女性ジャーナリスト。首相会見などで外国報道機関の一員として首相会見などで時折鋭い質問をされたりするので、ご存じのかたも多いと思う。日本人の方と結婚され子どもも二人おられる。
この本は、タイトルとおり日本の学校教育について、自分の子どもを実際に通わせている親の立場から、様々な共感やアドバイスなどを柔らかな口調で述べられている本。、雰囲気が「ポジティブ」で、批判もあるけどとても心地よく読める。
フランスには入学式がないので、日本の丁寧な入学説明会や豪華な入学式に感動した話、日本の給食の立派さに驚いた話などから始まり、フランスの教育の現況について、簡単な説明がある。一番関心があるのは教育費無料の件だけど、フランスには「お金がなくても子どもを産み育てられる」という考え方がある。教育を社会全体で支えるという考え方に対し、日本は、子どもの教育は親の責任という考え方が強いのでは、と指摘している。
フランスの出生率はEUでトップで2020年だと1.8人位、現在は1.6ちょっとということで、それでもトップは変わっていないとか。移民が多いからという話もあるが、必ずしもそれだけではないと。家族手当、出産関連の医療費の完全無料化、義務教育はもちろん高校大学も公立は無料、返済不用の奨学金、学童保育無料、3人以上養育で年金10%加算などなど、あらゆる手立てをとっているからで、日本とは大違い。7兆円とか言われる子ども家庭庁予算をこんなところにまわせば、無駄な天下り組織乱立も防げて一石二鳥なんだけどね。
いろいろと面白い比較があるが、全体はとても柔らかい書き方で受け入れやすい文章。少子化に関心がある方は一読をお勧めする。なお、日本の少子化問題は、いろいろ調べられるが、例えば日経新聞の以下のサイトもわかりやすい。
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