2023年度後期の直木賞受賞作品
「十二月の都大路上下る」と「八月の御所グラウンド」の二つの中編が一緒になっている。
「十二月…」は女子高校駅伝出場で京都にやってきたある高校の補欠の生徒が、正選手の病気のため急に出場することになって、慌てつつ、焦りつつ、なんとかゴールする話なのだが、走りながらありえない不思議な伴走者を目にする話。
「八月…」は続きかと思ったら、全然別の話。同じ京都で京大の学生がひょんなことから朝野球に出ざるを得ず、そこに集まってくるこれまた不思議な選手と交流をする話。いずれも京都が舞台、若者が主人公、軽く会話の多い文章、ユーモアと脱力的な雰囲気。そしてどちらにもきわめて不思議な「霊的な現象」が起こる。
読みやすくて、楽しい小説。あっという間に読み終わって、もう少しこの時間を楽しみたいと思ってしまう。最良のエンターテインメントの一つであった。
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以下に直木賞選考委員たちの評を貼っておく。
林真理子と三浦しをん、京極夏彦が特に推した作品だったようだ
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