四月に古希を迎えた、70歳になったということ。信じられない…
というわけで、本屋さんで和田秀樹の「70歳が老化の分かれ道」を、見つけてちょっと躊躇った。大きい文字で薄い本なのに1000円! でも読みたい。図書館ではこの手の本はほとんど貸出中で、なかなか順番がまわってこないしね。しょうがないと、出しました、1000円。
・和田秀樹は精神科医で、これまでも健康本をたくさんだしており、多分どれもベストセラーになっているのでは。まあ有名人。で、この本も一般読者を相手にわかりやすく、短めの章立てで忙しい時も切れ切れに読んでOK。何なら、目次の小見出しだけみても、大体内容がわかる本。
・例えば「70代は老いと戦える最後のチャンス」「何事においても引退などしてはいけない」「70代に身につける習慣が、その後の人生を救う」「血圧、血糖値はコントロールしすぎない」などなど、きわめてわかりやすい小見出しがならび、ここだけでも、なるほどと思う。
以下、気になるところを詳述すると:
(1)運転免許返納について。筑波大が2019年に発表した調査結果がある。対象は65歳以上の男女2800人。2006年時点から2016年までの追跡調査で、2010年時点で運転をやめた人は2016年で要介護になるリスクがやめなかった人の2.06倍となったとか。免許返納は要介護を早めるという話。また、高齢ドライバーが事故を起こしやすいという統計はない。むしろ若年ドライバーが多い。
ブレーキとアクセルを踏み間違えるということは、高齢者専門の精神科医の立場から言うと、ほぼありえない。数分前のことを忘れる認知症患者でも、箸とスプーンの区別はつく。ブレーキとアクセルの踏み間違いは、区別がつかないからではなく、「うっかりしたり、慌てたりしたから」でこれは若い人でも起こるミス。一瞬の判断の遅れは、ありうる。踏み間違いの事故は全事故の1%ほど。逆走や暴走という不自然な事故もあるが、これは高齢のための運転技能の低下ではない。ほとんどが薬による意識障害が原因ではないか。薬害に近い。
という主張。そして国が老人から免許をとりあげる傾向について憤慨しておられる。
(2)ダイエットはよくない。やせ型よりふっくら型のほうが長生き。BMIの25~30くらいが一番長寿という統計。高齢者のたんぱく質不足は免疫低下につながるので、病気リスクも高まる。
コレステロール、尿酸値、血圧などを心配して、食事制限するのは間違い。動脈硬化はふせげるかもしれないが、それが長寿につながるかは不明。死因として心疾患の多い欧米とがんが多い日本では、どのデータを重視するかは、違いがあってしかるべき。
(3)70代はうつのリスクが高まる。病院に行くことをためらわない。和田さんは精神科医なのでよけい気になるみたい。
(4)70代で、がんになったら手術するか。和田さんは、「がん放置療法」で有名な近藤誠医師を押している。若いうちは手術もいいが、70代になったら、術後のQOLとがんの進行度(年をとると進行が遅くなる傾向)を考えても、切らないこともあり、という考え方。
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