「バベットの晩餐会」は1987年のデンマーク映画。同年のアカデミー外国語作品賞をとっている。
いまもある「バベットの晩餐会」のオフィシャルサイトには、こんな惹句が。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「スクリーンから匂い立つ極上の風味。 美食のユートピアここにあり!来たるべきスローライフを予見し たグルメ映画の傑作!人生の至福と超絶技巧のフランス料理をぜひご 賞味あれ。」
晩餐会に供される料理はこんなもの:
さらに詳しい一品ずつ料理とワインの解説は葉山さんの以下のサイトで:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
オフィシャルサイトでは、この映画をグルメ映画の傑作と紹介しているが、ちょっと違うような気がするのだけども。でも本質はそうなのかもしれない。
基本的に、19世紀末の北欧の人々の貧しく敬虔な暮らしぶりが、ひっそりと静かな映像で描かれていて、後半にメイドが作る美しく膨大なフレンチのコース料理の映像の対比が、映画に大きな推進力を与えているようだ。料理はこのメイドのバベットの天職であり、村人も、主人公の老姉妹も、その華麗で豊穣でとろけるような料理に神の力を感じとるというもの。
心温まる話であり、同時におなかが空いてくる映画でもあった。
ちなみに、葉山さんの計算では今の価値で言うと、一人40万の食事という話!いまのおしゃれなフレンチとはかなり違った雰囲気で、まず量の多さに圧倒される。スープにするウミガメは生きたまま。鶉も鳥かごで運んでくるのは、もちろん流通という概念のなかった時代の話。すべて手作業でこれだけのものをjust in timeで供するのも、料理人のスキルの一つに間違いない。
コメント
コメントを投稿