台風14号が九州を通った日、BS3で二本のイギリス映画をやっていた。外出もはばかられ、時間はたっぷりあるので、ゆっくり視聴。
午後1時からは「恋に落ちたシェイクスピア」、1999年の作品。アカデミー賞は作品賞をはじめ7部門を制覇の名作ですので、見られた方もたくさんいることでしょう。
劇作家シェイクスピアがスランプにおちいり、「ロミオとジュリエット」の完成がすすまない。当時16世紀末のロンドンでは、芝居が娯楽の一つ。エリザベス女王(一世)でさえ芝居小屋を訪れるほど。ある裕福な家の子女ヴァイオラが、芝居好きが嵩じてシェイクスピアのいる劇団のオーディションを受けようとする。当時は女性は舞台に立つことはできず、そのため男性に扮し、なんとかロミオの配役をえる。やがてシェイクスピアはそれが女性だと見抜き、いつしか二人は激しい恋に落ちるのだが・・・やはり恋敵、ヴァイオラを狙う伯爵が現れて、というお話。
「ロミオとジュリエット」はもともと別の名前の喜劇だったのだが、二人の恋の炎が燃えるに従い、脚本も悲劇的色合いを深めていく。映画の最後に劇中劇として「ロミオとジュリエット」が演じられる。有名な死の場面、なかなか凄みのある舞台。実に格調高い芝居を見ている気になる。それもそのはず、演ずるのは名優ばかりだもの。シェイクスピアの時代について、少し知識があれば、いろいろ楽しみがふえる映画。
ところで、結構これはベッドシーンが多くて、R指定になっていたような。ここまで映さなくても良いのにねww
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夜9時は「英国王のスピーチ」
夜の7時ニュースから延々とエリザベス女王の国葬をやっていて、なぜNHKがこれを流し続けるのか意味不明。途中でニュースは切って、映画のほうに備えた。
「英国王のスピーチ」の英国王とはこのたびなくなったエリザベス女王のお父さん、ジョージ6世のこと。
彼は子供のころから吃音(どもり)に悩んできたが、父の死でいよいよ彼が王位を引き継ぎ、あちこちでスピーチをしなければならなくなる。これまでもたびたび失敗してきたが、ついに後戻りできないところに。しかも、ちょうど第二次世界大戦の開戦、ドイツへの宣戦布告のあとの国民と軍隊を鼓舞するための重要な演説が直近に迫っていた。ジョージ6世は、妻の探してきた言語矯正の専門家とともに何度もトレーニングをするのだが…
人間ドラマそのもの。登場人物は少なく、派手な見せ場もない。コリン・ファース(ジョージ6世)、ジェフリー・ラッシュ(言語矯正士ライオネル・ローグ)、ヘレナ・ボナム・カーター(王の妻エリザベス)が、落ち着いたそして圧倒的な演技を見せる。
国王の演説に向けて淡々とストーリーは進んでいく。そしてついに歴史に残る演説の時がやってきた・・・
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二作品ともいわずと知れた名作で、ハリウッド映画とはまた違った雰囲気の、けれんみのないストレートな名画であった。
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