マイクロソフトのアシスタントAI, copilot によれば:
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「カフネ」は、愛おしい人への優しい仕草を表す言葉で、特に子どもの柔らかな髪を梳く時の心地よさや、その時に感じる愛しさを意味します。この言葉は、日本語に直訳することは難しいですが、深い愛情や慈しみを含んだ行為を指す美しい表現と言えるでしょう。
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とのこと。阿部さんの「カフネ」の中でも、いとおしい人の髪を指で梳く行為のことだとすぐに明かされる。小説の中の「カフネ」は共主人公の小野寺せつなと野宮薫子が働いている家事代行会社の名前でもある。
40代初めの野宮薫子は、離婚したばかりで落ち込んでいる女性。しかもつい最近、最愛の弟が急死するというダブルパンチで、アルコール依存にもなっている。弟の恋人だった小野寺せつなに、遺産の一部を渡そうと、二人は接触するのだが、このせつなが強烈な個性の持ち主。ほとんど喧嘩別れになりそうになるのだが、薫子が突然倒れたことで、緊急にせつなが家へ連れて行ってくれる。そこから二人は次第にお互いを理解しあうようになっていく。
せつなは天才的な料理人だが、出張家事代行の仕事にこだわり、パートナーとして掃除代行をしてくれる人を探していた。薫子はその仕事にぴったりの女性で、二人はコンビを組んで、いろいろ問題のある家庭を次々とボランティア訪問し家事代行をやっていく。
やがて、あきらかになる弟の死の真相、かたくなな性格のせつなの秘密、そして薫子が不妊治療に失敗したあと夫から離婚を求められた真相など、ややミステリー風味も付け加わりながら展開していく。
テーマは、食と癒し、親子関係など。特に新しいのは「食」の部分かな。家事代行会社のボランティア部門では、主にネグレクト家庭などを対象としているようで、単に食事を作ってあげるだけでなく、小さな子を料理という行為にゆるく巻き込みながら、失われた「愛」「家族」を取り戻す手伝いをしていく二人。その二人が実はそれぞれ自ら挫折し強い喪失感を持ち、それでも助ける行為を通して、自己回復をしていく姿が描かれる。
美しい物語で、思わずもらい泣きする場面もあった。心が温まるよい小説だと思う。本屋大賞らしい作品かな。
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幾つか小さな欠点もある。登場人物がみんなどこかエキセントリック。普通の人が不足。弟の死の真相が今一つ納得感が足りない。あまりミステリー風にしないほうが、むしろよかったのに、と思った。最後に。作者は、もう少し控えめに。余計な一言(説明)が多すぎる感じ。これがエンタメと思っているのだろうが、その一言はなくていいのではと思う記述が何か所か。まあ、これは好みでしょうが。
幾つかおいしそうな料理の描写があった。もし可能なら、これは映画で見てみたい作品。
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