図書館でお借りした本。2019の本なのでちょっと古いが、川上未映子を特集している「文藝別冊」川上未映子さんの本は何冊か読んだが、最もすぐれた若手の小説家の一人だと思う。ただし、わりと深刻なので、こちらの準備ができないと気軽に読めない人。すでに翻訳もいくつかでているので、世界的な作家になる気もする。「夏物語」は、現代日本では最高レベルの作品で、長いが最後まで読み通せるはず。
たまたまネットで検索していたら、この方はブログも書いておられた。今は年1回とかのペースだが、2005年あたり、芥川賞をとった頃はもう少し書いていた。
本人が、進める過去の日記のうち二つ。どちらも、大変なインパクトがあった。自分は無知なので、川上さんがこんな小説を書き、こんなブログを書いておられたなんてことは知りもしなかった。もう少し早くこの人を知っていたらなあ。それにしても、大島弓子か。なるほど。ゴッホにゆうたりたいて、大阪の人だからなあ。
一部だけ引用すると
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春がこんこんと煙る中
私は、
ゴッホにゆうたりたい。
めっちゃゆうたりたい。
今はな、あんたの絵をな、観にな、
世界中から人がいっぱい集まってな、ほんですんごいでっかいとこで
展覧会してな、みんながええええゆうてな、ほんでな、どっかの金持ちはな、
あんたの絵が欲しいってゆうて何十億円も出して、みんなで競ってな、なんかそんなことになってんねんで、
パンも食べれんかったし最後のパンも消しゴム代わりに使ってな、
あの時もどの時も、あんたはいっつもおなじように、描いててな、苦しかったな、
才能って言葉は使わんとくな、なんかの誰からかの命令なんかな、
なんか使命なんかな、
多分絶対消えへんなんか恐ろしいもの、恐ろしいくらいの、美しい、でも苦しい、
そういう理みたいな、そんなもんに睨まれてあんたは、
いっつも独りで絵を、絶対睨まれたものからは絶対逃げんと、や、逃げる選択もなかったんかな、
それでもとにかく、絵を、絵を描いて、
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